委員長挨拶

私たちに越えられない壁はない

米中貿易摩擦の影響は世界に飛散し、首相交代で後戻りする機を逸した英国のEU離脱問題、決して相いることのできない歴史認識の違いを前面に出して勃発した日韓貿易戦争など、世界経済は混迷を極めています。19年度は改元や消費増税などに加えて、ラグビーW杯、G20観光大臣会合といった国際規模の大型イベントの開催もあり、まさに時代の節目とも言える年度です。

日本経済は、緩やかな回復基調にあると言われるものの、期待されていたお盆の消費熱も台風10号に冷やされ、韓国からの観光客激減によるインバウンド消費も減少しています。世界経済の混乱は、為替取引を比較的安全な「円」に誘導し、輸出産業に悪影響を与えています。その一方で、道内人口は21年連続の減少となり、少子高齢化が全国よりも早いペースで進み、人手不足の深刻さは一層増しています。地域における過疎化や高齢化への対応は、急務の課題です。10月には消費増税が実施されます。軽減税率の導入による混乱は必至で、消費マインドの低下が懸念されます。「自動車取得税の廃止」「自動車税の恒久減税」といったまやかしでは消費者は踊らされず、増税前の駆け込み需要も不発に終わった様子です。小手先の景気刺激策ではない、消費マインドに訴えかける根本的な施策は期待できず、今後も税制として根本的に間違っていることを訴え続けるしかありません。

自動車産業では「100年に一度の大転換期」が業界の共通認識となり、これまで経験したことのないスピードで変化していく環境下で、CASEやMaaSといった構造変化への対応を直視しながら、各社・各労使がまさに「生き残るためには何をすべきか、何が出来るか」の取り組みに着手しています。

CNDでは、改めて「組合員とその家族の幸せづくりの実現」を運動方針の軸に据えました。企業基盤や競争力の強化、魅力ある販売業界づくり、期待されるカウンターパート機能の発揮など、それら全ては人です。痛ましい労災は後を絶たず、志を同じくして入社した若者たちの離職も止まりません。激変する「生き残りをかけた」環境下においても、「安全は何よりも最優先されるべき」の信念のもと、さらなる年間所定休日増の取り組みや計画年休取得の推進による「ワーク・ライフ・バランスの充実」や「採用競争力の強化」、そして何よりも「離職防止に向けた取り組み」を、成果に拘って推進していく1年にしたいと考えています。

来年5月から、全車種併売化が始まります。当社は、護送船団で守られたチャネルという船から荒波に投げ出されるわけですが、乗り越えられるのは私たち自身であり、支えてくれる家族やお客様あってこそです。もちろんコンプライアンスを強く意識することも欠かせません。今年も言いますが、過去と他人は変えられませんが、未来と自分は変えられます。今、この瞬間から自らが行動を起こしましょう。札幌トヨペットで働いていて良かったと思える会社になるように。

札幌トヨペット労働組合 執行委員長
渡部哲郎